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吉野優美さん

東京都日野市出身の吉野優美さん、彼女の魅力は「感覚、企画力、持ち前の人懐っこさ」など挙げればキリがないのですが、とにかく「面白いことをやってくれる人、目が離せない人」という印象を受けます。優美さんの周りにはいつも話題が溢れていて、一見大変なことでも物怖じせず、何でも楽しみながら取り込む姿勢には本当に頭が下がります。しかも、多くの人を巻き込んでいく素質は天性のもの。

しかし、あっけらかんと凄いことをやってしまう行動力の影で、地道な努力と情報収集、協力者や周囲への配慮など、いつも彼女らしい「誠意」が込められていることを感じずにはいられません。

彼女のお父様が新庄市出身ということで、帰省のたびに訪れていたこともあり、優美さんにとっては馴染みの土地だったようです。吉野敏充デザイン事務所を営むデザイナーでクリエイティブディレクターの吉野敏充さんとは従兄妹の関係にあたり、先に敏充さんがUターンしたことをきっかけに田舎にあるものの良さやふるさとの温かさを見聞きし、新庄と東京の2つの拠点を行き来するようになったそうです。その中で新庄・最上地域のどっかどした(落ち着いた)空気感と自然と近い生活に引き込まれ、活動も住まいも新庄に移したのだそうです。

筆者が一番初めに会った時にも、敏充さんと二人で一緒に何か面白いことを企画中だったようで、「レトロなかき氷器があると聞いてきました。貸してもらえませんか?」というシチュエーションでした。「この二人はいったい何をする気なんだろう???」と感じたのが鮮明に頭に焼き付いています。その時もとびきりの笑顔で挨拶をかわした彼女が後に、首都圏と新庄を結び様々なプロジェクトを展開するソーシャルデザイナーとして活躍し、その後、新庄市地域おこし協力隊員となって新庄に移住することになろうとは、全く予想していなかったのですが・・・。

コワーキング・コミュニティスペースGOSALOn

2016年1月にオープンした「GOSALOn(ゴサロ)」は、「n」の発音はしません。新庄駅西口から徒歩2分で五叉路にたどり着きますが、そう、GOSALOnはそんなロケーションにたたずむ最上郡内で初のコワーキングスペースで、名前の由来はもちろんこの「五叉路」なんです。また、「Go Salon(サロンに行こう!)」のダブルミーニングというのも洒落が聞いていますよね。

普段は新庄市地域おこし協力隊員である優美さんが運営スタッフとして管理にあたっています。Free Wi-Fiな上にA4白黒10円・A4カラー40円でプリントアウトもできるので、仕事や活動などで大変便利に利用することができます。ちょっとした仕事をしに来る方、事業展開の相談にくる地元の方、「Uターンしたいのだけど」と相談に来る若い方など様々な方が訪れるといいます。何と言っても、みんなが集まるスペースだからこそ、情報も繋がりも、この場所から生まれていくんですよね。他の地域おこし協力隊の面々もここで作業や打ち合わせをすることが多く、新庄市だけでなく他の市町村の協力隊員の方々も頻繁に利用しているようです。まさに活動や情報の拠点と言える場所ですね。

オープン記念のイベントでは、めでたい時の最上の定番と言えば「餅つき」ということで、関係者一同「ぺったんぺったん♪」とお餅つきを楽しみました。

優美さん曰く、「新庄・最上地域を中心とした観光情報やこの地域の『暮らし』に寄り添った情報を集めて発信していく場所にしていきたいなと思ってスタートしました。ここから『何かやろうよ』というアイデアが生まれ、仲間が次の仲間を運んでくれる、そんな地域活動の拠点になればいいなと願っています。」と話していたのは、もう2年も前のこと。そして、彼女自身が「やろうよ!!」の輪の中心となって動いていくプロジェクトが生まれたことは、優美さんの真剣な気持ちと努力・地域の人々からの信頼の証なのだと感じます。

空き家プロジェクト

深刻な地域課題の一つである“人口減少に伴う空き家問題”にメスを入れるべく動き出したプロジェクトの始まりは、GOSALOnが「第27回夜得勉強会 テーマ:空き家」の会場となったことでした。不動産は個人の財産であり売買するにしろ賃貸にしろ、行政が手を出せる範囲では「空き家バンク」を立ち上げ情報発信することぐらいでしたし、また、活用しようにも改築増築には法手続きも伴ったり、何より「資金を貸す側(売る側)が出すのか?借りる側(買う側)か?」の問題も立ちはだかるなど、身動きが取れない状態となっている実にシビアなテーマでした。会場の広さから定員を30名に設定したにもかかわらず、50名近い参加者があり大盛況となったこの勉強会の熱はここではおさまりませんでした。

「ニーズの多さや関心の高さに圧倒されたっていうか、大変なことが起きている!この関心の高まりをこのままには出来ない、何とかしなければ!」と感じたことを、ちょっと興奮気味に優美さんは語ります。彼女自身も難しい問題だとわかっていながらも、そこに集まった参加者の熱を肌で感じ、「これは腹をくくってやらなきゃ」と覚悟を決めたのではないでしょうか。

地域のニーズやプロジェクトに寄せられた期待と応援の声を受け、2017年5月8日:空き家プロジェクトキックオフイベント、6月19日空き家妄想ツアー、7月~8月空き家お掃除ワークショップは5回にわたって行われました。そうした具合に、次々とプロジェクトを前に前に進めていく原動力は彼女のどこに潜んでいるのか、とてもパワフルでチャーミングな優美さんの人柄の影響も大きいと感じます。

Iターン者である優美さんが、周囲の人々にプロジェクトへの参加を呼びかけ、専門の方々に話を聞きに行ったり、商店街の方々にお願いや調整に行ったり、活動に取り組む姿には心を打たれるものがあります。「放ってはおけない」と思わせる彼女の魅力は仲間を次々に増やしていきます。筆者ももれなくそのうちの一人。

一般社団法人 最上のくらし舎

5月のキックオフイベントから超特急で進められたプロジェクトが、更に優美さんの本気を感じさせる展開へと進んでいきます。一般社団法人の設立です。空き家問題だけでなく、これらの利活用を中心としたエリアリノベーション、コミュニティ活動の拠点、新庄・最上地域にある古き良き文化の発信、心豊かな暮らしの提案を目指して歩み始めました。

空き家プロジェクトを優美さんと共に進めてきた建築が専門でエリアリノベーションに詳しい新庄市出身の設計士 加藤優一さんと共に最上のくらし舎を立ち上げ共同代表として、プロジェクトに関わった人々の先頭に立ちます。

1月からはいよいよ本格的な空き家改修がはじまります。その前に仲間を集めて、古い畳を撤去したり、いらない廃材を片付ける等の作業がたくさんたくさん待ち構えています。できるだけ低予算でプロジェクトを進めることをモットーにしている為、多くの賛同者に協力してもらい、半ば解体業者のような過酷なお片付けワークショップが展開されました。

その様子は空き家プロジェクトのFacebook ページ等でご覧いただけます。どうぞご覧くださいね。万場町の空き家前を通りかかったら、ちょっとでいいので声をかけてくださいね!直接作業に参加できなくても、「トイレ使っていいよ!」と言ってくれるご近所のお店、電気を使わせて下さるお隣さん、「頑張ってるね~、差し入れですよ。」と温かな飲み物やあじまん(小倉と週末限定カフェオレの2種)を持ってかけつけてくださる方々、こうした皆の気持ちを、優美さんは「新庄の人たちの温かさや本当の意味での強さを心底感じます。ここでなら、大変なこともきっとちょっとづつ皆の力を借りて、実現できちゃうんじゃないかな、って思えるんですよ。だから、それに応えられるように頑張りたいですね。」

一般社団法人 最上のくらし舎

ソトコト編集長 指出一正氏と考える 「これからの地方の生き方」

\季刊にゃー4発行&ソトコト・リトルプレス特集 記念/

 

ソトコト編集長 指出一正氏と考える 
。。「これからの地方の生き方」。。

日本各地の様々な地域を見て、面白い事例を知るソーシャル&エコ・マガジン「ソトコト」編集長の指出一正氏。ソトコトで世の中に発信をして行く中で、見えてきたローカルでの新しい働き方を本にまとめた著書『ぼくらは地方で幸せを見つける』を出版。

そんな指出一正氏をお招きして、2004年から“自分の故郷を誇りに思える気持ちを育てる”を最大テーマに山形の良さを本質から伝える無料月刊誌「gatta!」のガッタハウス編集室より鈴木伸夫氏、新庄・最上地域で2016年に創刊された「季刊にゃー」の製作を担当・キトキトマルシェ企画の吉野 敏充氏の3者、それぞれの媒体を作りながら感じている『これからの地域の生き方』をテーマにお話をいただきます。

日 時:2018年1月20日(土)
    受付15:30~ /開演 16:00~ 18:00
会 場:Lexington(山形県新庄市本町2-9)…
出演者:ソトコト編集長          指出 一正氏
    gatta!ガッタハウス編集室    鈴木 伸夫氏
    kitokito marche・季刊にゃ~企画  吉野 敏充氏
参加費:1,500円 (高校生以下 無料)
定 員:50名
主 催:最上のくらし舎
協 賛:エコロジー交流拡大プロジェクト・キトキトマルシェ

 

今後の展開がますます楽しみな吉野優美さん、1月20日はこんな企画を準備しているようです!ぜひ、ご参加を。

輝く彼女の新庄ライフのために、筆者も精いっぱい協力したいと心からエールを送ります。

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