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それぞれ違った”デキルオンナ”を目指して~最上地域女性応援会議~

「女性は男性の3歩後ろを…」なんて時代はとうに終わったはずなのに、「男女共同参画」が声高にさけばれるようになった今も、現実はまだまだ女性にきびしい社会ではないのでしょうか?特に最上地域は、「男性優位で女性の活躍が少ない」と言われてきた地域で、女性はあくまでも男性のサポート役を…というケースも少なくありません。性別に関係なく一人の人間として尊重され、個々の能力を発揮できれば、仕事も家庭も人間関係も、地域だって、もっとより良く回っていくはず。

 こうした課題に立ち向かうべく、自らの意志で「自分ができることを実践していこう!」という女性、それが、「最上地域女性応援会議」が目指す“デキルオンナ”なのだそうです。

 最上地域女性応援会議は、通称「Mogajo(モガジョ)」の名前で親しまれており、個性豊かな20代・30代・40代が集まる女性のコミュニティです。

Mogajoができるまで

 彼女たちの活動の原点は、平成25年にスタートした県主催の人材育成プログラム「活き活きモガジョ養成講座」というスキルアップセミナーでした。日々の生活の中にある課題や疑問を意識することなく日々を過ごす最上地域の女性は少なくありません。誰にとっても“気づきこそがスタート“なのだと、Mogajo代表の佐藤亜希子さんは語ります。

「『親が…、夫が…、上司が…』と、周囲が決めたことに違和感を覚えながらも、それに甘んじていたら状況が良くなることは望めませんし、自分という存在を自分自身が大切にできなければ、いったい誰が尊重してくれるんでしょう?自分を大切にするといっても、一方的にワガママを通すことで物事は解決しないですし、お互いにWIN-WINの関係にはなり得ません。それに気が付いた女性が自分にできることからアクションをおこそうという場がMogajoだったんです。」と佐藤さん。

 養成講座の中で蓄積されたアイディアや想いは、平成27年3月に団体設立という形で新たなスタートを切ることになりました。

「最上地域の女性の活躍を後押ししたい、応援したい」という気持ちをそのまま団体名に込め、女性の学びや社会参画をサポートすることを目的に活動することとなりました。

構成メンバーは?

「ある人は、『やりたいことがあるが一歩を踏み出す勇気が無い。』またある人は『職場と自宅の往復、こんな日常を変えてみたい!』またある人は『面白いことがないなら、自分で興してみたい!』など、抱える状況や問題は全く違うけれど、『自分にできることって何だろう?今よりもっと良くなる方法があるかもしれない!』という、内に秘めた想いや情熱だけは共通していたんだと思います。」と当時を振り返えります。

「まだメンバーは少なく10名ほどですが、2年の学びとその後の活動の中で少しずつ広がりが出てきて、今では他の団体が主催するイベントへの協力依頼が来たり、『活動に参加するにはどうしたらいい?』という反響も頂くようになりました。同世代の女性だけでなく、年配の男性方で『これからは女性の活躍が必要な時代だ、期待してるぞ!』と応援してくれる方もいて、気恥ずかしさもありますが純粋に嬉しいですね。」

 年齢や性別に関係なくファンが増えているMogajo。そのメンバーは、職業も年齢も独身か既婚かも、出身地も、何から何までバラバラだとのことで、自分の価値観を周囲に押し付けることをしない、多様な価値観や生き方が受け入れられる場のようです。

Mogajoらしい活動とは?

スキルアップセミナー「浴衣美人で街歩き(2015年8月開催)」

「子どもや家族に上手に浴衣を着せてあげたい」、自分自身が「自信をもって浴衣を着こなせるようになりたい」という、女性ならではのニーズに応えて、浴衣の着付けと和装にあうヘアアレンジを学び、それだけで終わらず街に繰り出して、記念写真を撮るところまでを企画しました。それが大好評で「ぜひ、第二弾を!」の声も多数上がっているようです。

女性だけの交流会「Mogajo Night(2015年10月開催)」

 普段どうしても子どもや家族を優先してしまったり、やりたいこともついつい後回しにしてしまっている人も多いのでは?この日だけは自身を最優先にすることで、日頃の自分へのご褒美として心満たされ、また周囲への感謝を改めて感じられる機会を狙いました。オシャレをした女性たちが美味しい料理とお酒で本音を語り合う交流会は、「真っ赤なルージュ」をドレスコードにした遊び心あふれる企画でした。普段言えない本音を出し合うことで、それぞれの活動を横に繋げていく機会にもなったようです。

「Mogami Women’s Festival~最上地域の女性の祭典~(2015年11月開催)」

ワークショップと講演会の2部構成となった女性向けのイベントで、美を意識した4つのワークショップでは、「ヘルス」「ビューティ」「ファッション」「フード」をテーマに、ヨガインストラクター・化粧品販売店店長・アパレル店店長・栄養士として現在、地域の中で活躍している4人の女性がワークショップ講師を務めました。ワークショップ開催後、「ヨガの教室に新たな入会者があった」「ファッション講座の後、来店してくださった方がいた」など、講師の方々自身も本業につながり、元気になれるピックアップを心がけているとのことです。なんと、講師4名のうち2名は「Mogajo Night」への参加が縁で講師依頼につながったとのお話も。

 第2部は最上地域出身で、株式会社資生堂で女性初の執行役員常務を務められていた関根近子氏(現 資生堂顧問)による「輝いて生きるプラス思考のススメ」と題した講演会を行いました。大変な場面に遭遇した時に、「何度やってもダメ」と思う人と「もう一回トライすればできるかも」と思える人では、同じ状況でも結果が違ってくる。開かないドアを「何回叩いたか」ではなく、「開くまで叩いたのか」と自分に問う。「今日という日は残りの人生の中で一番若い日」や「ここにいる皆さんもモガジョ(※最上の女性の意味)、私もモガジョ。この地域からモガジョの力強さをどんどん発信していきましょう!」など、心に響く言葉をたくさん頂きました。

 女性だけでなく男性受講者も見受けられ、高校生から60代までの約70名が参加。参加特典にオリジナル紙袋入りモガジョパンをプレゼントするなど、女性らしい心配りが参加者の楽しんで学ぶ意識に大きな効果をもたらしたようです。

「Mogami Women’s Festival 2017~最上地域の女性の祭典~(2017年2月開催)」

 大きな反響を呼んだ前回のフェスから約1年。第2弾を待ち望んでいた女性たち約50名が参加しました。楽しみながら学び、仲間づくりにもなるワークショップは前回同様4種類を企画。「2枚爪にならないためのネイルケア」「着物地を使ってエコバック作る和裁ワークショップ」「好きな色で運気もアップ!パステルアート入門」「心を落ち着かせるための座禅&写経体験ワークショップ」と多彩な内容な上に、自宅に帰ってからも続けられるようにお土産が用意されているという心配り。

 また、第2部はカラーコンサルタント・キャリアコンサルタントのA+STYLE代表 林由恵氏による「色の力でなりたい自分になる」をテーマにした講演会では、「『こんな色は自分に似合わない』と決めているのはいったい誰?―自分自身なんじゃない?」の問いに、一瞬頷きながら、その後晴れ晴れと顔を上げる参加者も見られ、なりたい将来像を思い描きながら、自分自身の考え方を柔軟にしていくことによってポジティブに変わっていけるということを学びました。

 20代~70代まで広い層に支持された第2回目となるフェスも、ワークショップと講演会どちらも、女性同士のつながりから生まれた出会いによって実現した内容ばかりなんだとか。回を重ねるごとにパワーアップする「女性の祭典」の今後が楽しみです。

「Mogajo Style~最上を彩る20通りの輝きストーリー~」ブックレットの発行

 女性の活躍が少ないと言われている最上地域ですが、仕事や活動を通して活躍している女性がいないわけではありません。むしろ、昔から共働き率も高く、まじめな気質の人が多い地域ですから、仕事と家庭の両立をしているたくましい女性や、地域の中で活動や催事では縁の下の力持ちの存在として活躍している女性も多いのです。そこで、そうした女性にスポットを当てるべく、山形県最上総合支庁からの平成28年度委託事業として、地域の中でいきいきと輝いている女性を20名発掘し、取材を通してライフスタイルや考え方、地域へのメッセージを紹介するブックレットを作りました。

 こうした女性たちのストーリーを発信することで、次のMogajoを育てたいとの想いもあるのだそうです。今後はこのブックレットを活用し、若い世代へのアプローチも積極的に行っていく予定なのだそうです。

Mogajoからのメッセージ

 「女性が入っていなかった分野にも、パイオニアとなって風穴を開けていった女性たちがこれまでもいたからこそ、私たちの今があるんだと思います。最上地域の女性の活躍が見えないという声もありますが、まだまだスポットが当たっていないだけで、潜在的にたくさん頑張っている女性がいるんだと、これまでの活動を通して確信を持つことができました。だから、次の世代、そのまた次の世代のために、今私たちがやらなくてはいけないことをやれたらいいなという気持ちで、この「最上地域女性応援会議」という私たちにとって大切なコミュニティをゆっくりゆっくり回していきたいと思いますね。」と語ってくださった佐藤さん。彼女の表情は晴れやかに輝いており、その言葉の一つ一つに女性ならではの感性や気配りがあふれていると感じました。

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